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2025.09.04

“高見え”の技法大全 ─ 既製×造作×素材の合わせ技でコストを抑えて上質に

 

はじめまして。
関西を中心にお家や店舗の設計をお手伝いしているアートハウスです。

 

このコラムでは、
「ちょっと知っていると、家づくりがもっと楽しくなるコツ」
を専門家の視点からお届けしていきます。

 

初回のテーマは、
多くの方からご相談をいただいている
「コストを抑えながら上質に見せる方法」

 

住まいづくりを始めたばかりの方も、
インテリアにこだわりたい方も、
気軽に読んで参考にしていただければ嬉しいです。


1.高見えのコツは「全部豪華」ではなく「見せ場づくり」

「全部を豪華にしないと素敵にならないのでは?」
と心配される方は多いです。

でも実は、
視線が集まる場所にだけ工夫を集中
させれば、
家全体が上質に見えるのです。

例えばテレビ背面、玄関、キッチン前
お客様がまず目にする場所に投資すると、印象がぐっと変わります。

 ・家全体より“視線の集まる場所”を優先

 ・見せ場をつくれば他はシンプルでも成立

 ・玄関・テレビ背面・キッチン前が狙い目


2.安価な素材も“仕上げ”次第で高見えに

素材自体を高価にする必要はありません。

例えば
唐松の板をランダム幅で貼り、
板間を7mm空けて黒下地
にするだけで、
陰影が生まれて表情豊かになります。

石材も同じです。

壁一面に使うのではなく、
テレビ背面にだけ取り入れると少量でも強い存在感を放ちます。

 ・仕上げ方で素材の価値が変わる

 ・黒下地凹凸が立体感をつくる

 ・石材は“ここぞ”の一面に集中投入


3.照明は“雰囲気担当”として考える

照明の役割は「部屋を明るくする」だけではありません。

ホテルのような雰囲気をつくるなら、
陰影や素材感を引き出すのがポイントです。

植栽や石を照らすと壁に影が映り、
空間に奥行きが生まれます。

 ・明るさよりも陰影を重視

 ・素材や植栽を照らして立体感を強調

 ・眩しくないグレアレス照明が効果的


4.造作家具で空間をつなぐ

造作家具は「高いから特別」と思われがちですが、
実は空間全体をまとめる“接着剤”のような役割を果たします。

木材やタイルの質感を合わせたキッチンの腰壁
その他アクセント部も統一感が生まれます。

 ・造作は空間をまとめる役割

 ・既製品では難しい質感の統一ができる

 ・必要な部分だけ造作にすればコストを抑えられる


5.モデルハウス実例に学ぶ合わせ技

弊社モデルハウスではこんな工夫をしています。

 

 テレビ背面に凹凸のある石材を貼り、黒いフレームを馴染ませる。

 唐松の天井はランダム幅+黒下地+間接照明で奥行きを演出。

 輸入ドア×造作テレビボードで質感を統一。

 

このように「素材」「照明」「造作」
バランス良く組み合わせることで、無理なく高見えを実現しています。

 ・“見せ場”は素材で強調

 ・“つなぎ”は造作でまとめる

 ・全体は貼り方照明で引き上げる


6.まとめ 高見え3ステップ

【ポイント】

 ・視線が集まる場所を決める
 (テレビ背面・玄関など)

 ・その場所に“素材・陰影・造作”を集中させる

 ・他の場所は既製品+貼り方+照明の工夫で整える

これだけで、
予算を抑えながらも上質で
「高見え」する住まいが実現できます。


最後までお読みいただきありがとうございました。

「全部を高級にするのではなく、見せ場を工夫する
──これが限られた予算でも住まいをぐっと良くするポイントです。

これからも外構や照明、動線づくりなど、
具体的なノウハウをお届けしていきます。

家づくりの計画中の方はもちろん、
インテリアを工夫したい方にも楽しんでいただける内容にしていきますので、
ぜひ次回もチェックしてくださいね。