はじめまして。
関西全域でお家づくりをお手伝いしているアートハウスです。
注文住宅のご相談を受けていると、
「趣味の空間がほしいけれど、そこまで贅沢していいのかな」
という声をよくいただきます。
家づくりでは、どうしてもLDKや寝室、子ども部屋、水回りといった“必要な部屋”が優先されます。
そのため、漫画を読む場所、コレクションを飾る場所、ひと息つける場所のような、
自分たちの「好き」を置く空間は、最後に削られやすい部分でもあります。
ただ実際には、趣味部屋は特別な余裕がある人だけのものではありません。
つくり方次第で、家族との距離感を保ちながら、日常の中に自然に組み込むことができます。
今回は、漫画・フィギュア・絵本・冷蔵庫までを取り入れた実例をもとに、
“好き”を暮らしの中に残すセカンドリビングの考え方をまとめました。
1.結論:趣味部屋は「余った部屋」ではなく、暮らしの満足度を上げる場所
結論から言うと、趣味のための空間は、
暮らしに余裕があるからつくるのではなく、
暮らしの満足度を上げるためにこそ考える価値があります。
毎日の生活は、家事や育児、仕事だけでできているわけではありません。
ほっと落ち着ける時間や、
好きなものに触れる時間があることで、家の居心地は大きく変わります。
それなのに家づくりでは、
趣味の空間はどうしても「なくても困らないもの」として後回しになりがちです。
でも本当は、なくても困らないけれど、あると毎日が少し豊かになる。
そういう場所こそ、家づくりで大事にしたい部分だと私たちは考えています。
今回の住まいでも、ご夫婦そろって漫画が好きで、
コレクションしてきたフィギュアも大切にされていました。
だからこそ最初から「飾る場所をつくりたい」
「読む時間を楽しめる場所がほしい」という要望があり、
その思いを後回しにせず、住まいの中にきちんと組み込んでいます。

2.個室の趣味部屋ではなく、セカンドリビングにする意味
趣味の空間というと、完全に独立した個室をイメージされる方も多いと思います。
もちろんそれも一つの形ですが、
今回の住まいでは、趣味部屋を“こもる部屋”ではなく、
セカンドリビングとして計画しているところが特徴です。
2階に設けられたその空間は、
単にフィギュアを飾る棚があるだけではありません。
漫画を読める、本を置ける、絵本も読める、
ちょっと飲み物を取りに行ける。
しかも階下のLDKと気配がつながっていて、
家族から完全に切り離されていない。
その距離感がとても絶妙です。
個室だと落ち着く一方で、家族との距離が遠くなりすぎたり、
使う人が限られてしまったりすることがあります。
その点、セカンドリビングなら、
趣味の場でありながら家族みんなが使える余白があります。
「自分の好きなことを大切にしたい」
「でも家族と離れすぎる部屋にはしたくない」
そんな方にとって、趣味と共有空間の中間にある
セカンドリビングはとても相性の良い考え方です。

3.漫画・フィギュア・絵本を一緒に置ける空間は、家族にも使いやすい
今回の住まいで印象的だったのは、
趣味がとても個人的なものでありながら、
空間としては家族に開かれていることでした。
ご主人が大切にされていたフィギュアは、
最初から「飾る場所をつくりたい」という希望がありました。
ただ、それを単独のコレクションルームにしてしまうのではなく、
周囲に漫画や絵本、収納、冷蔵庫までまとめることで、
家族も自然に立ち寄れる空間になっています。
つまり、趣味の空間でありながら、
子どもが絵本を読む場所にもなる。
ちょっと一息つく場所にもなる。
将来的には勉強やゲームの場にもなり得る。
そんな柔らかさを持っています。
趣味部屋をつくる時に大切なのは、
「誰のための部屋か」を固定しすぎないことです。
もちろん主役となる趣味はあっていいのですが、
そこに少し共有性を持たせるだけで、空間の使い道はぐっと広がります。
夫婦の好きなもの、子どもが使うもの、家族が集まる時間。
それらが無理なく同居できる趣味空間は、単なる贅沢ではなく、
暮らしに厚みを出してくれる場所になります。

4.家族とつながりながら、一人時間も楽しめる距離感のつくり方
趣味空間を考える時に、意外と重要なのが「どれくらい家族と離れるか」です。
近すぎると落ち着かない。
遠すぎると使わなくなる。
このバランスはとても難しいのですが、
今回の住まいでは吹き抜けや階段の位置によって、
ちょうどよい距離感がつくられていました。
2階のセカンドリビングにいても、下のLDKとのつながりが感じられます。
声をかけようと思えばすぐ届く。
でも完全に同じ空間ではないから、自分の時間としても成立する。
この「少し離れているけれど、孤立していない」感じがとても大切です。
とくに子育て中のご家庭では、
完全に閉じた趣味部屋だと使いづらいことがあります。
子どもの様子が気になる。
家族と別々になりすぎる。
その結果、せっかくつくっても使う頻度が下がってしまうこともあります。
だからこそ、趣味を楽しみながら家族ともつながれる位置に置くこと。
これが、セカンドリビングという形が持つ大きな価値だと感じます。

5.趣味空間を“映えるだけ”で終わらせない収納と照明の考え方
趣味部屋というと、写真映えする棚や飾り方ばかりに目が行きがちですが、
実際に使い続けるには、収納と照明の考え方がとても重要です。
今回の住まいでも、フィギュア棚は単純な飾り棚ではなく、
奥行きやライティングの向きまで考えてつくられていました。
ただ並べるだけではなく、どう見せるか、
どこに光を当てるかまで含めて設計されています。
一方で、下部には漫画や本、子どもの絵本なども収納できるようになっていて、
“見せる収納”と“しまう収納”が同じ空間に共存しています。
これによって、趣味だけが浮かず、生活の中に自然と馴染んでいます。
さらに印象的だったのは、
日当たりの良い2階空間でありながら、
大切なフィギュアや本を守るために
ロールスクリーンを設けていたことです。
好きなものを長く大切にしたいなら、
飾ることだけでなく、どう守るかも同じくらい大切です。
趣味部屋を考える時は、
ただ置く場所があるかではなく、
どう見えて、どう使えて、どう維持できるか。
そこまで考えておくと、暮らしの中で長く愛せる空間になります。

6.子どもの成長後も使い続けられる、セカンドリビングの柔軟さ
セカンドリビングの良さは、今の趣味に合うだけでなく、
将来の変化にも対応しやすいことです。
子どもが小さいうちは、親の趣味や家族のくつろぎの場として使える。
少し大きくなれば、絵本を読む場所、遊ぶ場所、ゲームや勉強をする場所にもなる。
さらに成長した後は、子どもたちが友達と過ごしたり、
兄弟姉妹が共有したりする場所にもなります。
つまり、今は趣味の場所として強く使っていても、
暮らし方の変化とともに使い道を変えていけるのです。
今回の住まいでも、2階には将来仕切って使える子ども部屋があり、
その中心にセカンドリビングがあります。
そのため、この空間は今だけの特別な贅沢ではなく、
家族の成長に合わせて役割を変えながら使い続けることができます。
趣味部屋というと、一時的な満足のための空間に見えるかもしれません。
でも、最初から“家族の変化に対応できる余白”として考えておけば、
長く価値のある場所になります。

7.まとめ:趣味を削らない家づくりが、暮らしを豊かにする
家づくりでは、どうしても「必要なもの」が優先されます。
その中で趣味の空間は後回しにされやすいのですが、
実際にはその小さな余白こそが、住まいの満足度を大きく左右します。
今回の住まいのように、セカンドリビングという形で
趣味と家族の時間を両立させることができれば、
好きなことを楽しみながら、家族との距離も自然に保つことができます。
漫画を読む時間。
コレクションを眺める時間。
子どもと一緒に絵本を開く時間。
そのどれもが、住まいの中にあるからこそ続いていく時間です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
趣味部屋は決して贅沢なだけの空間ではありません。
自分たちらしく暮らすために“好き”を削らずに残しておく。
その考え方が、長く心地よい住まいにつながっていくと私たちは考えています。